旅するように訪れたい「ゲストハウス」と「一棟貸し宿」

FEATUREJuly.09.2018

誰もが一度は憧れるのが「旅するように暮らす人」。好きな場所を訪れて、自分のリズムでその土地を感じ、また次の場所を目指す…。実は、そんな空間を身近に感じることが出来る場所があるって知っていますか?山梨県は、富士山があることもあり、年間を通じて国内外から多くの人が訪れます。そんな土地には自然と面白い人が集まり、ワクワクするようなことを仕掛けてくれるものなのです。
今回は、山梨県で人気の宿の中から、旅するように訪れたい「ゲストハウス」と「一棟貸し宿」にスポットを当ててご紹介していきます。


2018年6月オープン。甲府のまちの息づかいを感じるゲストハウス

まず最初にご紹介するのは、2018年6月にオープンした「NAP bed and lounge」です。NAP bed and loungeは、甲府駅南口から徒歩10分程の「柳小路飲食店街」の一角にあります。かつては、多くの人で賑わいを見せていたこの通りも、時代の流れと共に老朽化が進み、訪れる人は減少していきました。しかし、いつの日からかこじんまりとしたここ柳小路に魅力を感じた人が集まり出し「ロジ寺崎COFFEE」や「ジェネラルストアーぺチッタペチット」などのお店がオープンしました。
戦後すぐに建てられたであろうこの場所は、当時「スナック」として栄えたと言います。その後、長い間空き店舗となっていたところを、オーナーである吉田陽祐さんがハーフビルドでゲストハウスへと変化させました。1Fは、カフェ&バーラウンジ。2Fに個室が2つある小さな宿です。

▲柳小路飲食店街にある小さなゲストハウス「NAP bed and lounge」

▲1Fは、吉田さんがほぼ1人でDIYをして完成させたそう

▲洋室。窓からは、甲府のまちに暮らす人の風景をみることができます

▲和室。

吉田さんは、福島県の出身で大学進学を機に山梨県にやってきました。当時から旅をすることが好きでいわゆるバックパッカーだったそう。その時の経験がゲストハウスへとつながっていったと話してくれました。
「大学卒業後は、都内の建築会社に勤務していました。ゲストハウスをやりたいという気持ちがあったし、山梨にはまだその文化があまり根付いていなかったので、再びこの地に戻りオープンすることにしたんです。小さな規模にしているのは、この町の日常と旅をする非日常のちょうど境目の空間を作りたかったから。甲府のまちの魅力は生活する人たちだと思っています。生活している人をより身近に感じることでまたここへ訪れるようになってほしいと願っています」

▲オーナーの吉田陽祐さん。飾らない雰囲気で空気を明るくしてくれるような人です

吉田さんがそう話す通り、NAP bed and loungeはこの町に生活している人が食事に来たり、お酒を飲みに来たりと日常的に訪れる場所でもあります。ここへ泊まることで、人に出会い、町の魅力を知ることができる空間なのです。洋室と和室の2つの個室がある小さな宿。これは、各国を旅して気づいた「日本人は眠りを大切にしていること」の経験から学んだ独立した部屋を作りたかったから。たとえ女性1人でも安心して眠りにつけることのできる部屋づくりにこだわっています。

▲テーブルも吉田さんが作ったそう

▲体育館の床材を使用して作ったカウンター

▲アメリカのモーテルキーをモデルに、友人デザイナーに特注したオリジナルのルームキー

どんな人でも気軽に訪れることのできる場所「NAP bed and lounge」。
バルの経験もある吉田さんが作るこだわりの料理やドリンクも必食です!

▲山梨県のクラフトビールも取り扱っています

▲ランチタイムには、ダイナミックなハンバーガーが食べられます

NAP bed and lounge

山梨県甲府市中央4-3-25
080-9867-2589
ランチ(ハンバーガー) 12:00~14:00
バー 18:00~23:00
定休日 宿/月・火曜 カフェ&バーラウンジ/火曜

チェダーチーズサービス!

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山里で暮らすように泊まる古民家宿「LOOF」

次にご紹介するのは、甲府盆地と富士山の真ん中に位置する山里の小さなまち、芦川町の「LOOF」です。人口400人程の芦川町で育った代表の保要佳江さんが、地元の活性化を願い都内や海外で培った経験を活かしながらオープンさせた古民家宿です。

▲広い庭にハンモックが揺れる「LOOF」の「澤之家」

▲代表の保要佳江さん

「高齢化が進み、町には空き家がたくさんありました。富士山に近い立地であることもあり、上手にプロモーションできれば人を呼び込めると考えたんです。最初は、都内からシェフを呼ぶイベントを何度か開催し、周りの反応を感じてみることから始めました。参加者の反応が良かったので思い切って古民家宿にチャレンジすることにしました。資金があまりなかったので、DIYやクラウドファウディングなどを活用しながら進めて行きました」

▲2014年にオープンした一棟「澤之家」

▲中に入ると天井の高い和風モダンな空間が広がります

▲寒い季節には、おこたつもあります

▲二階へあがるとベッドルームが現れます

2014年のオープン当初は、「澤之家」ひとつでしたが、2016年すぐ近くに2棟目となる「坂之家」をオープン。そして2018年夏にはグランピングも出来る3棟目がオープンを控えているところです。どの家も、古くからある日本民家の造りを活かしつつ、モダンに仕上げたハイセンスな空間。庭や縁側もあり、目の前に流れる川の音や鳥のさえずりなど、自然の音や風を体いっぱいで感じることのできる場所です。料理やドリンクも地産地消を意識した上質な素材を使ったものばかり。希望者には、農園の野菜摂り体験に連れて行ってくれるサービスもあります。

▲2棟目となる「坂之家」

▲広い玄関土間を囲むようにしてハイセンスな空間が広がります

▲夜は囲炉裏を囲んで食事を楽めます

▲広い土間キッチンも魅力的

「この場所は、お客さまはもちろん、ここに暮らす人たちにも支えられています。これからも、田舎に帰ってきたような気持ちで、気軽に快適な田舎暮らしを提案し続けていきたいなと思っています」と保要さんは話してくれました。
海外からや県外の人はもちろん、県内の人の利用も多いここ「LOOF」。ハイセンスで美しい、芦川の一棟貸し宿に暮らすように泊まるそんな贅沢な時間があっても良いと思いませんか?

LOOF

山梨県笛吹市芦川町中芦川559-1
050-3786-7025

ワインボトル1本プレゼント!

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訪れる人の求める距離感を大切にするゲストハウス「BACCHUS KOFU GUESTHOUSE」

そして最後にご紹介しておきたいのがここ「BACCHUS KOFU GUESTHOUSE」です。もともとビジネスホテルだったこの場所は、28人が宿泊できる比較的大きな宿です。代表である野田寛さんは、山梨県の出身。旅好きであり、仕事でタイに住んでいたこともあり、以前からゲストハウスを日常的に感じていたと言います。再び山梨に戻り、4年間という歳月の中で少しずつ理想を現実の形へと変え、2015年に「BACCHUS KOFU GUESTHOUSE」をオープンさせました。

▲ぶどう酒の神様という意味を持つ「BACCHUS」

▲代表の野田寛さん

「クラウドファンディングや友人、地域の人を積極的に絡めていきながらこの場所を作り上げました。多くの人の手と想いが入っている場所だと思っています。そして、今でもこの地域の消防団に入ったり自治会に入ったりして地域との連携を大切にしているスタイルは変えていません。本当に周りの人に支えてもらっていますね」
と野田さん。
建物1Fは、宿泊者が使用できるキッチンなどがある隣にバーが併設されています。そして上階にドミトリータイプの部屋が和洋合わせて7部屋あります。

▲1Fにあるバー。地元の人も訪れるそうです

▲ドミトリータイプ洋室

▲和室もあります

「バーもあるけれど、特にこの場所を推しているわけではないんです。甲府のまちには、美味しいお店がいっぱいあるし、面白いスポットもたくさんあります。宿のスタッフ全員が甲府のまちの魅力を案内できる者ばかりなので気軽に聞いて欲しいと思っています。旅の過ごし方は人それぞれ。この場所でのんびりしたい人もいれば、町を歩きたい人もいる…。大切なのは、訪れる人が求める距離感を守ることです。甲府を訪れる人の多くは、プランの決まった旅を好まない人だと思っています。その人たちにどんな甲府を魅せられるかが大切なことですよね。」
と野田さんは続けました。

観光スポットとして人気のある富士山と松本城(長野県)のちょうど中間にあたるここ甲府市。目的を持ってこのまちに来る人はまだまだ多いとは言えません。しかし、野田さんのような想いを持って甲府の魅力を発信し続けている人がいて場所があるということは、確かな事実としてここに存在していました。

▲訪れる人が書いていくノートも大切にしています

BACCHUS KOFU GUESTHOUSE

山梨県甲府市丸の内3-33-12
055-298-4747

ソフトドリンク1杯サービス

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若い世代を中心に旅の定番宿とされてきているゲストハウスや一棟貸し宿。このような熱き想いを持ってやっている人たちがやる宿には、地元山梨の人が利用することだって多いのです。旅行=遠くへ出掛ける。それって少しつまらない。こんなに近くに魅力的な宿があるのだからあなたの暮らしのすぐ近くにある非日常に、旅するように訪れてみてはいかがでしょうか?

文章:堀内麻実(anlib design)
写真:anlib design

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