好きなご飯の上位に必ずランクインする食べ物、それがラーメン。熱々のどんぶりに顔を寄せてフゥーフゥーしながらズルズル~ッと食べる。そんなことを想像しただけでも「あぁ~ラーメン食べたい」とつくづく思ってしまう。今回は、ラーメン好きな人たちに山梨でイチオシの一杯を聞いてみた。さぁ、お腹をグゥグゥ鳴らせて、絶対に食べるべき!美味しいラーメンの旅にでかけてみよう。
創業昭和39年、支那そばを復元させた発祥店、蓬莱軒の「支那そば」
甲府の中心の少し外れに「蓬莱軒」はある。この辺りは、老舗の飲食店がまだまだ元気に営業していて、実家に帰ってきたようななんとも言えない安心感を味わえる昭和の空気が残る場所だ。銀座通り入り口の小さな店舗から歩み始めた蓬莱軒。2度の移転を経験した後、75席もある現在の大きな店舗を新設した。のれんをくぐったその先に広がる広い店内は、サラリーマンや年配の夫婦、若い学生グループなどで賑わい、活気に溢れていた。注文したのは、もちろん「支那そば」だ。
待ちに待った支那そばをさっそく実食!一見あっさりとした醤油ラーメンといった感じだが、一口食べるとその旨みに驚く。細麺がスープや、トッピングされたチャーシュー、メンマと見事にマッチングし箸がどんどん進んでしまうのだ。気がつくと溢れんばかりの汗をかきながら、口も聞かずに食べきっていた。
蓬莱軒の創業は、昭和39年。創業者である店主の山下岩雄さんは、山梨市で当時「金水食堂」を営んでいた母親の背中を見て育った。自身の店、蓬莱軒を始めるにあたり、山下さんが絶対に取り入れたかったメニュー、それが「支那そば」だったのだそう。時代の流れとともに消えて、忘れ去られていた「支那そば」を世の中に再び蘇らせた第一人者となった山下さん。小さな店舗から始まった蓬莱軒は、瞬く間に人気店へと駆け上がっていった。その噂は、県内だけに止まらず多くのメディアの耳に入るほどになり、2002年日本テレビが調査した国民県民アンケート「全国99選」では、4位を獲得するや、有名コンビニエンスストアではカップ麺が全国で販売された。
「お陰さまで多くのお客さまに支えられてここまで進んで来ることができました。父の築いてきたこの店に入って22年。辛く苦しい時ももちろんありましたけれど、本当に周りの人に支えられてきたなと感謝の気持ちでいっぱいです。お客さまの期待に応えたい。絶対に間違った料理を出してはいけない。と思うと今でも店に立つ前は緊張するんです。この緊張感とプレッシャーを大切に持ち続けていきたいなと思っています」
そう話してくれたのは、山下さんの長男である山下雄也さん。父の背中を追いかけ、22年間もの間このお店で父の味を学んできたのだ。2018年6月に蓬莱軒もいよいよ世代が変わり、雄也さんに受け継がれる時がくるのだという。
連日行列の耐えない老舗店、蓬莱軒。「この味でお客さまが来なくなった時は、その時として受け止める覚悟です。今あるこの蓬莱軒を、この先もずっと大切にしていきます。」と雄也さんが決意した通り、日本中から愛されている伝説の味「支那そば」は、これから先も変わることなく訪れる人の胃袋を満たし続けてくれることだろう。
支那そば・餃子工房 蓬莱軒
甲府市中央4-12-28
055-233-2458
営業時間 11:30~14:30/17:30~21:00
定休日 火曜日
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ご予約時に入居者カードを使用する旨をお伝え頂き、店頭にてご提示ください。(カードのご提示が確認できない場合は、サービスをご利用頂けません。)
山梨に新しい伝説を生み出した、中華蕎麦うゑずの一杯
続いて訪れたのは、アルプス通り沿い、昭和町清水新居にある中華蕎麦うゑず。あの「中華蕎麦とみ田」の一番弟子として長年に渡り、とみ田を支え続けてきた上江洲恵介さん。そうそれが、2015年4月に山梨で中華蕎麦うゑずをオープンさせた張本人だ。行列はもちろん、夕方17時の閉店時間ギリギリまでひと足が途絶えることのない人気店である。のれんをくぐり直ぐさま発券機の「つけめん」ボタンを押し、待つこと10分弱。
テーブルに運ばれたきたのは熱々の「つけめん」。小麦の色がしっかりと残る極太ストレート麺に炭で炙ったバラチャーシューと低温調理したローストチャーシューの2種が大胆にトッピングされている一皿。スープはトロトロに煮込んだ出汁の旨みがしっかりと濃縮された濃厚豚骨魚介スープだ。
早速、麺をスープの中へ泳がせ口の中へ。驚くほどよく絡み、一瞬で衝撃の味がその姿を魅せた。
香り豊かな極太麺は、もちもちな食感の中に瑞々しさを残す。素材の旨みと甘みが詰まったスープはその感想の言うまでもないだろう。
「2018年2月から店内にある製麺室で麺を作っています。山梨の小麦ととみ田の小麦をブレンドさせたオリジナルを完成させることができました。打ち立て麺を使って作ることによって以前より香り豊かで食感も求めていたものに近づきました。良い方向にしか進んでいないと感じています。お客さまにもおかげさまで評判が良いです」
と店主の上江洲さんが新しく生まれ変わったばかりの自家製麺について語ってくれた。
ゲンコツ、豚足、鶏ガラ、煮干し、野菜等を炊き上げ、完成までに30時間を費やすというスープや、時間をかけて丁寧に作り上げるチャーシュー等を最高の状態でテーブルに運ぶことが上江洲さんの求める基本のスタイルなのだと言う。
ただ作ることだけが上江洲さんの目指すお店づくりではない。訪れる人の目を見てきちんと挨拶をする。人としての礼儀を大切にしているのだ。そして、ここ山梨がもっともっと活性化され元気になることを上江洲さんは常に願っている。中華蕎麦うゑずは、着々と確実のその名を世に知らしめ、今や全国のラーメンファンが訪れる有名店へと登りつめている。
中華蕎麦うゑず
中巨摩郡昭和町清水新居59-1サンシャイン平岩103
055-287-8894
営業時間 11:00~17:00※売り切れ次第終了
定休日 日曜日
※2018.12末までの期間限定
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―近隣物件情報―
甲府で「担々麺」と言えば六角亭
そして、最後におすすめしたいのが、甲府の中心エリア、岡島百貨店の近くに位置する六角亭だ。初代店主が1996年から営んでいたお店を2000年に今の店主・小池栄一さんがそのまま引き継いだことに始まる。
訪れる人のまさに8割が頼むという「担々麺」といただくことにしよう。
一見、そんなに辛くないであろうと思うような赤みの少ない担々麺。どんぶりからは、ゴマの香りがほのかに溢れ出し、食欲を駆り立てられる。まずはスープを一口。
ゴマの旨みがギュッと詰まったコクと甘みの後に、ピリピリと強い辛みが喉の奥まで刺激してくる。細縮れ麺と一緒に食べることで、甘みやまろやかさが増し、気がつくとどんどんと箸が進んでしまうから不思議だ。
辛さは、超々々激辛の30倍まで選ぶことができるが、ほとんどの人は普通または、激辛の2~5倍を注文するのだと店主の小池さんが教えてくれた。
「こだわりは特にありません。前店主の味を引き継ぎながら、少しずつ味を改良してきました。店を始めた当初は、担々麺がおすすめですと話しをしても誰も頼んでくれませんでした。大手企業がwebサイトで当店の担々麺を取り上げてくれたことがきっかけとなり、今では来店するほとんどの人が担々麺を注文するようになりました。」
と小池さんは担々麺がヒットしたことの裏話を教えてくれた。
店内は、多くの芸能人のサインや写真が目立つ。小池さん自身、学生時代から野球をずっと続けてきている生粋の野球人間。野球を通じて訪れる有名人や、ロケやコンサートの合間に立ち寄る芸能人も少なくないのだという。六角亭のある甲府中心街には学生時代からの仲間も多く、今もなお交流を持ち仲良くしているのだそう。この店の人気は、小池さんの人柄にあるのかもしれない。
小池さんは、醤油と、これでもか!と思うほどのゴマをたっぷりと使用し、まろやかで濃厚なスープを仕上げる。そして最後にジャーッとラードを回しかけることもこのお店の特徴なんだと教えてくれた。このひと手間が、まろやかさをより一層際立たせるのだそう。
夜18時から深夜の2時まで営業しているここ六角亭。仕事帰りの人や、観光、出張で山梨を訪れた人、呑んだ後のサラリーマン等の憩いの場となっているのかもしれない。甲府の町の夜の定番六角亭は
「呑んだら食べよう!担々麺」が合言葉だ!
六角亭
甲府市中央4-3-16
055-233-0077
営業時間 18:00~2:00(L.O 1:30)
定休日 日曜日・祝日
※1グループ皆様ご利用可能
※VivitBaseの管理物件入居者の方のみのサービスとなります。
ご予約時に入居者カードを使用する旨をお伝え頂き、店頭にてご提示ください。(カードのご提示が確認できない場合は、サービスをご利用頂けません。)
ラーメン好きに聞いた、おすすめのラーメン3選はいかがだっただろうか。
山梨にも全国で名を馳せる有名ラーメン店が点在することに驚いた人もいるのでは?
大好きな人を誘ってお気に入りの一杯を探すラーメンの旅に出るのも悪くないだろう。
文章:堀内麻実(anlib design)
写真:anlib design