上質な⼀杯に出会える。⼭梨の本気なクラフトビール3選

FEATUREMarch.12.2019

アルコール業界の低迷が騒がれている昨今。会社でも「私、お酒飲まないので」「お酒を飲んでコミュニケーションしよう!とか少し古くないですか?」なんていうワードもチラホラ耳にするようになっているのではないだろうか。確かに、浴びるほど呑んで説教を始めたり、誰かとケンカをしてしまったりするのはカッコイイとは言えない。
しかしながら近年、そんなアルコールへのイメージを覆す時代がやってきているのはご存知だろうか。それが、2011年頃からジワジワとその名を轟かせている「クラフトビール」の存在だ。1980年代から2000年頃までに生まれた現代を牽引する年代、いわゆるミレニアル世代にぴったりとハマったクラフトビール。作り手の熱い想いが込められたビールを一杯ずつ楽しみながらゆっくりと飲む…そんな新しいビールの時代がやってきた。ここ山梨県にだって、ビールに深い愛情を注ぐ熱き作り手たちがいる。今回は、山梨が誇るクラフトビールを作る熱きブルワーたちの物語。


「地ビール」ブーム時代から真を持って歩んできたスタンダードビール

最初に紹介するのは、富士山の麓山梨県富士河口湖町にあるブルワリー「富士桜高原麦酒」。第一次地ビールブーム時に、営業を開始した歴史のあるブルワリーのひとつで、今も尚世界レベルの賞を取り続けている本格派だ。
現在ヘッドブルワーを務めている宮下天通さんは、ブルワリー立ち上げ時からのメンバーでビールへの愛情も人一倍。

▲富⼠桜⾼原⻨酒のヘッドブルワー、宮下天通さん

「立ち上げの時は、当時人気のブルワリーや地ビール発祥のヨーロッパ諸国のひとつドイツにも修行に行きました。ドイツの空港で飲んだヴァイエンシュテファンというブルワリーのビールが今でも私の基本になっています。当時の日本のビール界にはない美味しさで、感動で手が震えたのを覚えています」と宮下さんは立ち上げ当初のことを振り返る。
「最初は試行錯誤でしたよ。味にもバラつきが出て思うようにならない時もありました。ビールは生き物なので、本気で向き合わないとならない。ちょっとした変化で味が変わってしまうんです」宮下さんはそう続けた。
富士桜高原麦酒には現在、世界でもっとも愛飲されている「ピルス」やフルーティーな香りが特徴の「ヴァイツェン」などのレギュラービール4種類に加え、限定のビールが毎月1~2種登場する。そのどれもが宮下さんをはじめとするブルワーたちが本気で向き合って完成させた、“日本人が作る本格ドイツビール”だ。

▲今回は、特別にビールが発酵しているところを⾒せてもらった

▲ビールと真剣に向き合う宮下さん

「当時流行になった地ビールが、クラフトビールと名を変えて再び世の中の脚光を浴び始めたのは2011年頃から。山梨ではまだまだ少ないが、都内には小規模のブルワリーが今でもオープンし続けています。第一ブーム時に、力を落としたブルワリーを沢山見てきました。それくらいビール作り(生き物を育てる)は難しい世界です。今回のブームによって、クラフトビール=まずい。そうならないことを願わずにはいられません」と宮下さんは語る。

▲ここのビールは数々の受賞歴を持っている

▲細かく上品な泡にも注⽬

調和のとれたバランスの良い旨みにこだわり続けている富士桜高原麦酒のビールは、“何杯でも飲みたくなる”
“最後の一口まで美味しい”が特徴だ。今あるレギュラービールは、その全てが世界大会において最高賞に輝いた実績を持っている。それは、宮下さんが取材中に何度も口にした「造り手の想いが伝わるビール」そのものだからなのかもしれない。作りたての美味しさを飲みたい人は、富士河口湖町にあるブルワリー併設レストラン「シルバンズ」へ。

▲広々とした店内。ビール以外の料理も充実している

▲時間を忘れてゆっくりと過ごしてほしい

そんな、富⼠桜⾼原⻨酒のヘッドブルワー、宮下さんがおすすめする⼀杯はこちら。

▲「ヴァイツェン」アルコール度数5.5%・500ml 780 円(税抜)/300ml 480 円(税別)
フルーティーな⾹りが特徴。上品な味わいで⼥性でも飲みやすい

地ビールレストラン シルバンズ

住所:⼭梨県南都留郡富⼠河⼝湖町船津字剣丸尾6663-1
電話番号:0555-83-2236
営業時間:平⽇ 11:30〜15:00(L.O 14:30) 17:30〜22:00(⾷事L.O 21:00/ドリンクL.O21:30)/⼟⽇・祝⽇ 11:30〜22:00(⾷事L.O 21:00/ドリンクL.O 21:30)
1⽉〜3⽉中旬 平⽇ 11:30〜15:00(L.O 14:30) ⾦⼟⽇ 11:30〜15:00(L.O14:30) 17:30〜21:30(⾷事L.O 20:30/ドリンクL.O 21:00)
定休日:⽊曜⽇(春休み・GW・夏季・年末年始除く)

―近隣施設情報―

▼山中湖で人気のSUPをやるなら、booq560へGO!▼

booq560

住所:山梨県南都留郡山中湖村山中58 山中湖ハクタカマリン内
電話番号:0070-5561-6292(ハクタカマリン)/090-8959-5603(予約直通)
問い合わせ時間:8:00~19:00
定休日:火曜日

※booq560掲載の特集記事はコチラ→ https://www.vivitbase.com/wp/feature/7884/

▼富士山×河口湖の最高のロケーションで、ブルーベリー狩り♪▼

河口湖自然生活館

住所:南都留郡富士河口湖町大石2585
電話番号:0555-76-8230
営業時間:9:00~18:00(※11月~3月は17:30まで)
定休日:年末のみ休業あり
ブルーベリー狩り:6月下旬から8月中旬頃まで
料金:中学生以上 1,000円/小学生 800円/小学生以下無料※40分食べ放題+200gパックの持ち帰り付き

※河口湖自然生活館掲載の特集記事はコチラ→ https://www.vivitbase.com/wp/feature/7883/


甲府の街中にある⼩さなブルワリーの本気ビール

続いて紹介するのは、山梨県の中心地である甲府駅から徒歩15分程のところに位置する街中ブルワリー「アウトサイダーブルーイング」だ。クラフトビールのセカンドウェーブが始まった頃、2012年にオープンした小さなブルワリー。現在、アウトサイダーブルーイングを任されているのは小林桃子さん。全国的にも珍しい女性のブルワーだ。

▲ブルワー、⼩林桃⼦さん

「最初は、上にあるパブ・ホップス&ハーブスのウェイトレスとして働き始めました。お客さまに出しているビールがどのように作られているのか興味を持ち始めたのがきっかけです。最初の仕事は樽の洗浄。当時現場を任されていたブルワーの丹羽(にわ)さんからビール作りの全てを教えてもらい今の私があります」と可愛い笑顔で語る小林さんは30歳という若さだ。

▲毎朝早くから作業を開始する

毎朝6時から仕込みを開始し、1日500リットルを作ると言う。イングリッシュスタイルを軸としたレギュラービールは6種類で、同グループ店のパブ「ザ・ヴォルト」にて飲めるレギュラービール2種類に加え、限定ビールが常時3〜4種類と種類が多いのもここの特徴だ。

▲(左)ザ・ダーク・サイド・インペリアル・スタウト(右)ドランク・マンク・トリベル

「ビールのレシピは無限大で奥が深くて面白いです。限定ビールには、牡蠣のビールや桜のビールが登場する季節もあります。コーヒーのビールも人気がありましたね。ビールを作ることはもちろん、レシピを考えることも大切な仕事のひとつです」小さな規模ながら、常に探究心を忘れず真剣にビールと向き合う小林さん。ビールの大会「ジャパンブルワーズカップ」では、自身のレシピにて入賞実績もある。そんな彼女の作るビールを求めて、ブルワリー2Fのパブ「ホップス&ハーブス」には、最近急激に若い客層が増えていると言う。まだまだフレッシュな彼女は、
「前任に学んだことをしっかりと守りつつ、自分らしいスタイルにもチャレンジしていきたい」と山梨のクラフトビール界において新しいスタンダードを提案してくれそうな言葉を残した。

▲ホップス&ハーブスの店内

▲(右奥)ココナッツシュリンプ&チップス 800 円(税込)・(⼿前)サラダ巻き 650 円(税込)・甲斐サーモンのフィッシュ&チップス 1,000円(税込)

▲ビールとの相性抜群!習志野ソーセージ2本 900 円(税込)

そんな、アウトサイダーブルーイングのブルワー⼩林さんがおすすめする⼀杯はこちら。

▲(左)ザ・カウンティーズ・ペールエール アルコール度数5.5%・500ml 800円(税込)/300ml 550 円(税込)柑橘系のアロマホップと⾹ばしい⻨芽の⾵味が特徴。フルーティーの中にほろ苦い⼤⼈の旨みを残した味わい

アウトサイダーブルーイング直営店 ホップス&ハーブス

住所:⼭梨県甲府市中央ミヤザワビル1-1-5
電話番号:055-223-2622
営業時間:平⽇ 17:00〜24:00 ⼟⽇・祝⽇ 12:00〜24:00
定休⽇:⽕曜⽇

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―近隣物件情報―

コーポ丸の内

住所:甲府市丸の内2丁目
階建て:4階建/4階 構造:RC造
築年月:1973年4月

プレステージ横田

住所:甲府市中央4丁目
階建て:4階建3階 構造:RC造
築年月:1988年9月


ポール・ラッシュ博⼠に守られた伝説のブルワリー

そして最後に案内にするのが北杜市清里の「萌木の村」内にあるROCK併設の「八ヶ岳タッチダウンブルワリー」だ。1997年に伝説のブルワー、山田一巳さんを醸造長に迎えオープンしたことでも広く知られている老舗ブルワリー。ドイツ系ビールを軸に、何杯でも飲みたくなる美味しさを長年この地で提案し続けていて、その人気は未だ衰えることを知らない。2015年からヘッドブルワーを任されているのは松岡風人(かざと)さん、35歳。
「私は広島県出身です。東京農業大学在学中にビールの世界に興味を持ち、山田さんの著書“ビール職人”に出会いました。その本との出会いがきっかけとなり、八ヶ岳タッチダウンブルワリーで働くためこの地にやってきました」
縁もゆかりもない山梨の地に一冊の本に導かれてやってきた松岡さん。そんな彼が常に思っていることは、“どんなに知識があろうとも99%はやってみないと分からないということ”。いつでも自然体で、その場の雰囲気にスッと溶け込む雰囲気を持つ松岡さんを見ていると、その言葉が妙に腑に落ちるから不思議だ。1日2,000リットルを仕込むという八ヶ岳タッチダウンブルワリーもまた、仕込みからビン詰め、樽詰めまで全ての工程を自分たちで行う。当時、全くの未経験だったという松岡さんは、分業制である大手企業にはない小さな規模だからこそ多くを学べる部分にも魅力を感じたと言う。

▲ヘッドブルワー・松岡⾵⼈さん

「2016年に八ヶ岳タッチダウンブルワリーのあるROCKが全焼してしまうという事故が起きました。でも、ブルワリー部分だけは被害に合わなかったんですよ。樽の前で、ポール・ラッシュ博士の大きな肖像画が壁になってくれていたのです。肖像画は丸焦げでしたが、きっとポール・ラッシュ博士がブルワリーを守ってくれたのかな?なんて思います」

▲⽕災の被害を免れたビール樽

火災からわずか9ヶ月というスピードで再建を果たしたROCKは、今も変わらず多くの人が訪れる人気の場所。名物のカレーと共にビールを注文するのがこの店の定番だ。レギュラービールは5種類。限定の季節ビールも2〜3種類並ぶ。
「ヨーロッパ系のビールを軸にした地ビールブームに対して、現在の主流は、アメリカ発信のIPA(ホップ)系クラフトビールです。私たちの作るビールは、現在流行のビールとは少し違うのかもしれないけれど、お代わりできないビールはビールではないという考えで、今も日々学び続けています。このブルワリーでは、ビール作りに使う水を八ヶ岳の雪解け水を使用しています。この地でしたかできない、地水にこだわったビールなのです」
と現在のクラフトビールブームと自身のビールについて語る松岡さん。

▲ROCK の名物「ROCK ビーフカレー」

▲カレーとクラフトビールがこの店の定番

▲カウンター席に座った⼈だけが飲める萌⽊の村内「萌⽊窯」とのコラボグラスもある

▲お店がオープンする前の早朝に最も集中する仕込みを済ませる

そんなビールへの熱き想いを持つ⼋ヶ岳ブルワリーのヘッドブルワー、松岡さんがおすすめする⼀杯はこちら。

▲ピルスナー S 580 円(税込)L 780 円(税込)ピッチャー 3,000 円(税込)タッチダウンブルワリーの原点。すっきりと爽やかな⼝当たりで、⻨本来のほのかな⾹りが楽しめる

萌⽊の村 ROCK

住所:⼭梨県北杜市⾼根町清⾥3545
電話番号:0551-48-2521
営業時間:10:00〜23:00(GW/7 ⽉〜8 ⽉)11:00〜21:00(9 ⽉〜6 ⽉)
定休⽇:なし

レストランROCKでの飲食代5%OFF※VivitBaseの管理物件入居者の方のみのサービスとなります。
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(カードのご提示が確認できない場合は、サービスをご利用頂けません。)

―近隣物件情報―

八ヶ岳ガレージハウスA

住所:北杜市小淵沢町上笹尾
賃料:172,000円 管理費:20.000円
間取り:2LDK

八ヶ岳ガレージハウスB

住所:北杜市小淵沢町上笹尾
賃料:137,000円 管理費:20.000円
間取り:1LDK

※八ヶ岳ガレージハウスの特集記事はこちら→ https://www.vivitbase.com/wp/feature/13122/

文章:堀内麻実(anlib design)
写真:anlib design

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