あたたかい毎日に春の気配を感じるこの頃。今年はどんな風に桜を楽しむご予定でしょうか。瞼を閉じると満開の桜と皆様の笑顔が浮かんできます。青い空の下で舞い散る花びらを追いかけたり、はたまた夜のライトアップによる幻想的な桜を見てロマンな気分に浸ったり。山梨県の桜はどんな皆様も受け止めてくれるんですよ。
そこで、VivitBaseでは総力を上げて、絶対見てほしい『お花見スポット』をご紹介しちゃいます。膨らむ蕾も、可憐に開く淡い花びらも、風に吹かれる桜吹雪も、散り際の儚くも美しい凛とした佇まいも、どの姿もめいっぱい楽しんでくださいね。
未だ咲き続けて2千年。幾多のときを超えてきた「山高神代桜」
日本三大桜のひとつとして知られている、北杜市武川町の「山高神代桜」。樹齢約2000年の桜の樹は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が植えたと伝えられています。その樹を保有している「大津山 實相寺」は、二度の火災で歴史的建造物や寺宝まで、お寺としての姿はほぼ焼失してしまったそう。しかし、唯一火災から免れたものが「神代桜」だったのです。大正11年10月に国指定の天然記念物に指定されたエドヒガンの古木であり、幹回り10.6mの巨木だった「神代桜」は、傷みが年々激しくなり、周りを支柱で支えられ、なんとかその姿を見れるギリギリの状態だとか。
別名を「花の寺」とも呼ばれている實相寺には、根尾谷淡墨ザクラ、三春滝ザクラなど全国で有名な桜の子ども達や、種子が宇宙から帰還した宇宙桜など、30本もの珍しい桜が咲き、「神代桜」の傍らで彩りを魅せます。樹木医による回復工事が施され、懸命に花をつける「神代桜」。2000年という「とき」を感じに訪れてみてはいかがでしょうか。
一本桜の撮影スポットとして大人気の「わに塚のサクラ」
小高い丘の上の一本桜と残雪の八ヶ岳。この美しい景色にきっと心を奪われてしまうはず。韮崎市神山町にある「わに塚のサクラ」。わに塚の名前の由来は、日本武尊の王子の武田王がこの地域を治めた後、埋葬された場所なので王仁(わに)塚と呼ぶようになった説や、その形が鰐口(わにぐち)に似ているからなどの諸説があるそうです。推定樹齢約330年、幹周り3.6mのエドヒガンザクラは、枝振りが非常に良く、綺麗な樹形をしていて、ソメイヨシノよりピンク色が濃いのが特徴的なのです。
田園風景にポツンと1本だけ立つその姿は、凛とした美しさがあり、冠雪した八ヶ岳や富士山を背景にした景色は幻想的で、夕焼けや星空とのコラボも、ここでしか出会うことのできない神秘的な世界が広がります。このように「わに塚のサクラ」には、さまざまな風情があり、多彩な表情を魅せてくれます。見頃を迎えるとライトアップもされ、県外からも例年多くの人で賑わう「わに塚のサクラ」。移りゆく、ときの流れに身を委ねてみるのもいいですね。
場所:韮崎市神山町北宮地624
問い合わせ:(一社)韮崎市観光協会
0551-22-1991
https://www.nirasaki-kankou.jp/
みんなの憩いの場所が淡いピンクに染まる「大法師公園の桜」
南巨摩郡富士川町にある大法師公園は、「日本さくら名所100選」に選ばれた県内有数の桜の名所。公園内には、ソメイヨシノやサトザクラ、シダレザクラなど約2000本の桜が咲き乱れ、満開になると小高い山が淡いピンクに染まり、多くの人を魅了します。眼下には甲府盆地が広がり、目の前には富士山や八ヶ岳を望むことができるうえ、茅ヶ岳や奥秩父などの山々を背後に臨むこともできるんですよ。
頂上近くは平らな広場に整地されていて、ソフトボール場やテニスコート、
遊具のほか、画家・竹久夢二と作家・望月百合子の歌碑があります。また、毎年、桜の開花状況に合わせて約10日間程開催される「富士川町大法師さくら祭り」は地元では根強い人気があり、お祭りならではの出店が数多く並ぶので、今年こそ感染対策をバッチリして、お祭り気分を味わいたいですね。※今年は、夜間のライトアップやステージイベントは行いません。
場所:南巨摩郡富士川町鰍沢2175
問い合わせ:富士川町役場 産業振興課
電話番号:0556-22-7202
https://www.town.fujikawa.yamanashi.jp/kanko/event/sakuramaturi.html
シャワーのように降り注ぐ「身延山久遠寺のしだれ桜」
日蓮聖人によって鎌倉時代に開かれた日蓮宗の総本山である身延町の身延山久遠寺。その身延山久遠寺周辺は、「日本さくら名所100選」に選定されたスポットが点在します。中でも、久遠寺境内にある樹齢400年と伝わる2本のしだれ桜は、全国しだれ桜10選にも入っていて、大きく垂れ下がる枝いっぱいに淡いピンクの花をつけ、訪れる花見客の目を楽しませてくれます。1本は祖師堂の前、もう1本は客殿の前で花を咲かせ、寺院を背景に枝いっぱいの可憐な花が、シャワーのように降り注ぎ、まるでドラマのワンシーンを見ているような気分になります。
また、久遠寺の門前町である身延の町には、久遠寺を中心とした宿坊(宿泊施設を兼ねたお寺)があり、その宿坊に通ずる参道でも桜が楽しめるんですよ。特に、ロープウェイに乗って、標高1153メートルの身延山山頂駅までの道のりでは、山肌一面がピンク色に覆われた光景が広がります。
由緒正しき場所である身延山久遠寺。その風情と春の訪れを感じに行ってみてはいかがですか。
場所:南巨摩郡身延町身延3567
問い合わせ:身延山久遠寺
電話番号:0556-62-1011
https://www.kuonji.jp/
温泉街は桜色の装い。「石和さくら温泉通りの桜並木」
笛吹市石和町は、県内屈指の温泉街。駅周辺から東側に伸びるメインストリートは「さくら温泉通り」と呼ばれていて、その名の通り桜並木になっているんです。温泉街の中心を流れる近津川の両岸は、春の訪れと同時に約900mに渡り樹齢約40年の桜が咲き、温泉街は淡いピンク色に彩られます。
桜並木の足元はウッドデッキの遊歩道が設置されていて、車道を気にすることなく安心してお花見ができるのも「さくら温泉通り」の特徴のひとつで、美しい桜と川のコントラストを眺めながら、春の散策を気分よく楽しめるんですよ。
温泉街ならではの情緒豊かな街並みの風景にとけ込むその美しい桜。夜になるとライトアップされて妖艶な姿に変わり、昼とはまた違った顔をのぞかせてくれるのです。
場所:笛吹市石和町川中島
問い合わせ: 笛吹市役所 産業観光部 観光商工課
電話番号:055-262-4111
https://www.city.fuefuki.yamanashi.jp/osusumekanko/index.html
桜のトンネルを走り抜ける電車。ファンタジーの世界が広がる「甚六桜」
甲府盆地や南アルプスを見渡せる高台にあるJR中央本線勝沼ぶどう郷駅は、約600本の桜が立ち並ぶ桜の名所です。ぽかぽか陽気が嬉しい時期になると、満開の桜のトンネルを電車が走り抜ける光景は、鉄道ファンはもちろん、SNS映え必至。多くの人が魅了されるスポットなんです。
この桜は、長年に渡って植え育ててきた、地元菱山地区の後継者の集まり「甚六会」の名前から「甚六桜」と呼ばれているとか。近くには、役目を終えた電気機関車が置かれている「甚六公園」もあって、家族連れからも親しまれているんですよ。夜にはライトアップされて、桜の中を走る電車と甲府盆地の夜景が、昼の風景を一変させるほど甘美な世界に誘ってくれます。ちなみに眺望ポイントは、公園の奥の方にある東屋になり、遠目に見る山梨市駅方面の夜景もオススメです。電車内から楽しむも良し、桜の下でトンネルを見上げても良し。桜の花びらが舞い散る中に佇み、素敵な思い出づくりをしてみては?
場所:甲州市勝沼町菱山3052勝沼ぶどう郷駅周辺
問い合わせ:甲州市観光協会(甲州市役所観光商工課内)
電話番号: 0553-32-2111
https://www.city.koshu.yamanashi.jp/
https://www.koshu-kankou.jp/
日本を代表する風景!「新倉山浅間公園・忠霊塔の桜」
もう私たちがお伝えするまでもなく、日本中いえ、世界中で認知されているのが、富士吉田市にある、ここ新倉山浅間公園の桜です。春夏秋冬、一年を通してそれぞれの季節によって装いを変える富士山と公園内の自然との調和が生み出す美しい風景が望めます。特に春になると約650本もの桜が咲き誇り、「桜と富士山、五重塔」という日本を象徴する光景を一枚の写真に収めようと訪れる人が多い人気のスポットでもあります。
公園は新倉山の麓から中腹に位置していて、398段の階段を上った先にある展望デッキからは眼下に富士吉田の街並み、その先には左右対称に裾から裾へ広がる富士山の美しい姿を見ることができます。新緑との清々しい風景、紅葉の幻想的な雰囲気、雪を纏った神秘的な表情など、魅力は春だけではありません。
日本を代表するアイコンがセットになった絶景を、カメラにも心にも焼き付けましょう。
この時期開催される桜まつりでは、お花見を盛り上げる富士吉田ならではの楽しみが満載になっています。
※新倉山浅間公園 桜まつりは予定の段階です。詳しくは桜まつり情報ページを確認してからお越しください。
場所:富士吉田市新町2-8-12(下吉田駅北側)
問い合わせ:一般財団法人ふじよしだ観光振興サービス
電話番号:0555-21-1000
https://fujiyoshida.net/
首都圏最大級!ピンクの絨毯を敷いた絵画のようなスポット「富士本栖湖リゾートの芝桜」
ゴールデンウィーク前後になると、こぞってその絶景を見に行くのが富士本栖湖リゾートの芝桜です。富士山を背景にして、約2万4000平方メートルの壮大な敷地に、ピンクや赤、紫、白の約52万株の芝桜が絨毯のように辺り一面を埋め尽くし、残雪が美しい富士山との共演が楽しめます。
毎年4月中旬から5月下旬にかけて「富士芝桜まつり」が開催されますが、昨年は残念ながら中止の運びに。しかし、今年は4月17日(土)から5月30日(日)までの間に開催されることが決定!芝桜の花ことば「希望」にちなみ、「希望の、応援花。」とテーマを決め、皆さまにエールを贈ります。また、芝桜でハートを象ったスポットなどを各所に設置するそうなので、SNS映えに一役買いそう。同時開催される「富士山うまいものフェスタ」では、吉田のB級グルメをはじめ富士山周辺のグルメがいろいろ登場する予定だそう。
寒い冬を越え、小さくも力強く、可憐に咲き誇る芝桜とムスカリやアネモネ、ツツジといった春の花が脇を添えて、訪れる人達の身も心もお腹も幸せな気分にさせてくれます。
場所:富士本栖湖リゾート(南都留郡 富士河口湖町本栖212)
●2021富士芝桜まつり
日時:4/17(土)~5月30日(日)
時間:8:00~17:00※時期により変動
入園料:大人(中学生以上)800円/小人(3歳以上)250円
※駐車料金がかかります。
問い合わせ:富士芝桜まつり事務局
電話番号:0555‐89‐3031
https://www.shibazakura.jp/
いかがでしたでしょうか。
1年に1度咲く桜はどこか儚げで、桜の季節を迎える度に、人は1つ年を重ねます。春が来れば桜を見るのが当たり前だった今までとは違い、桜を見られる時間を大切にして、くすぐられるような喜びを胸に、思いきり桜の木の下で笑いましょう。
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